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アトピー性皮膚炎診療ガイドラインに基づく治療【2】

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よくなるぬりかた、よくならないぬりかた

「よくなるぬりかた」の前に、ステロイドが効く、効かないとは、どういう状態なのか、「よくならないぬりかた」とは何なのか、について説明します。

「ステロイドが効かない」とは

「ステロイドが効かない」とはどういう状態でしょうか。
深掘りしてみると、2つのパターンにわけられます。

A:「ステロイドぬったらよくなるけど、止めたらまたかゆくなる」
B:「ステロイドが全然効かない」

「ぬったらよくなる」→正しいぬりかたが出来ると、もっとよくなります

「A」は、一旦改善しているので、ステロイド軟こうは効いてはいるけど、効果が不十分なパターンです。

「効果がいまひとつ」の理由は?

  • ぬるステロイドの量が少ない
  • ぬる期間が短い
  • ステロイドのパワー(抗炎症効果)が弱い

などが原因として考えられます。

患者さんから聞いた、よくならないやりかたを書いてみます。

  • 全身アトピーの患者さんに、マイザー軟こう10gを処方。
     →すぐに使い切ってしまいます。
  • 外用指導がないので、2~3日でぬるのを止めてしまう。
     →すぐ再発します。
  • 大人の手のアトピーにキンダベート(4群=弱いステロイド)を処方
     →キンダベートは乳児の顔首に処方する弱いステロイドなので手には効きません。

「効果がいまひとつ」を「効果はばつぐんだ」にするには、

適切な抗炎症効果のある軟こうを処方し、正しい、よくなるぬりかた、ぬる期間を患者さんに説明し理解してもらう必要があるのです。
では、「よくなるぬりかた」とは、実際どんなぬりかたなのでしょうか。
それは、【3】に続く

「全然効かない」→アトピー、湿疹ではない他の病気の可能性があります

ステロイドが全然効かない「B」は、全身の白癬菌感染、疥癬(ヒゼンダニの感染)、リンパ球の病気など、アトピー以外の皮膚病が考えられます。
皮膚の生検など詳しい検査も必要になりますので、当院では、そのような場合は大きな病院の皮膚科専門外来に紹介するようにしています。