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薬を怖がりすぎる必要はありません

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~副作用を理解すれば、
心配なく使うことができます

A薬の副作用には、おそろしい症状が並んでいますね。これはテレビCMで誰もが知っている「ガ○ター10」の副作用です。この情報は、製薬会社のサイトでフリーに見ることが出来ます。

【A薬の副作用】

関係部位 症状
皮ふ 発疹・発赤、かゆみ、はれ
循環器 脈のみだれ
精神神経系 気がとおくなる感じ、ひきつけ(けいれん)
その他 気分が悪くなったり、だるくなったり、発熱してのどが痛いなど体調異常があらわれる。

まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けてください。

症状の名称 症状
ショック
(アナフィラシキー)
服用後すぐにじんましん、浮腫、胸苦しさ等とともに、顔色が青白くなり、手足が冷たくなり、冷や汗、息苦しさ等があらわれる。
皮膚粘膜眼症候群
(スティーブンス・ジョンソン症候群)
中毒性表皮壊死症
(ライエル症候群)
高熱を伴って、発疹・発赤、火傷様の水ぶくれ等の激しい症状が、全身の皮ふ、口や目の粘膜にあらわれる。
肝機能障害 全身のだるさ、黄疸(皮ふや白目が黄色くなる)等があらわれる。
腎機能障害 発熱、発疹、全身のむくみ、血尿、全身のだるさ、関節痛(節々が痛む)、下痢等があらわれる。
血液障害 のどの痛み、発熱、全身のだるさ、顔やまぶたのうらが白っぽくなる、出血しやすくなる(歯茎の出血、鼻血等)、青あざができる(押しても色が消えない)等があらわれる。

薬の副作用は、ネット検索などで簡単に調べられる時代になりました。
ネット情報は「玉石混淆」。間違ったものや、個人の感想、怖がらせて金儲けに利用してやろうとする「アトピービジネス」のサイトもありますので、薬剤情報はメーカーのサイトで調べるのが基本です。「A薬」「B薬」も、そうして調べたものです。

副作用について調べていると、恐ろしくて、薬を使わないほうがましのように感じることもあるかもしれませんね。ですが、重大な副作用の起きる確率は1%未満なのです。

乱暴な言い方になりますが、副作用の全くない薬は存在しません。
大前提として、効果が副作用よりも圧倒的に大きな化学物質が「薬」として使用を許可されているのです。薬の効果と副作用を天秤にかけて、効果が上回ると判断して初めて患者さんに投与されます。副作用を出さないように薬の量や組み合わせを考えたり、前もって予防薬をあわせて出したり、副作用にいち早く気づいて投薬をやめたりするのが、医師の仕事と私は考えています。

ちなみに、漢方は副作用がない、少ないと思われがちですが、下記のB薬は、「葛根湯」の副作用です。

【B薬の副作用】

関係部位 症状
皮ふ 発疹・発赤、かゆみ
消化器 悪心、食欲不振、胃部不快感

まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けてください。

症状の名称 症状
肝機能障害 全身のだるさ、黄疸(皮ふや白目が黄色くなる)等があらわれる。
偽アルドステロン症 尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等があらわれる。

アトピー性皮膚炎でステロイド軟こうを外用する時、なんとなく「体に悪い」ということは
ありません。

ステロイド軟こうの「間違ったぬりかた」はわかっているので、そうしなければ良いのです。

  • 休まず毎日連続して外用することによる皮膚への悪影響(ステロイド皮膚症)
  • 突然治療を中断する「脱ステ」による「リバウンド」

車の運転にたとえると、「赤信号は止まる」、「カーブでは減速する」。ルールを守って、事故を起こさないように安全運転するということですね。詳しくは【アトピー免許皆伝~ステロイド軟こうの上手な使い方】をご覧ください

内服治療と違うのは、軟こうを使う患者さん、ご家族自身が、副作用を知り、副作用を出さない塗り方を実行する必要がある点です。

というと、大げさに思われるかもしれませんが、実際は、アトピーの軟こう治療は、

よくなる塗り方 = 副作用のでない塗り方
ですから、心配しないでください。

副作用を出さないために注意すべきポイントも、何回か外来通院する間に覚えられます。

副作用について十分な説明を行います

まつもとクリニックでは、ステロイド、プロトピック(タクロリムス)などの薬の効果、副作用について十分な説明を行い、不安無く、確実な治療効果が得られるように心がけて診療を行っています。

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